「ラ・カンパネッラ」byリスト様(笑)

今頃の覚書なのですが、11月19日に、東京文化会館のモーニングコンサートに行ってきました。
東京音楽コンクール入賞者の演奏が500円で楽しめる、という、とても有難い定期コンサート。
この日は水谷桃子さんによるピアノ独奏で、曲目はバッハのパルティータ第1番(たぶん)、シューベルトのピアノ・ソナタ第13番、そしてリストのパガニーニによる大練習曲。
クラシックを聴くと頭がよくなる、なんて話、CDだけ聴いてたときは信じられませんでしたが、小さな会場での生演奏ならありえるかも、と思います。音が溢れてキラキラ降ってくる感じで、とても刺激的。
音楽はなんでも生が断然いい。


一曲目の端麗なバッハにうっとりした後、ご挨拶で聴こえてきた声がすごくあどけなくて、まだ高校生なんだ、と演奏とのギャップにびっくりしました。
続くシューベルトも、シューベルトらしい清らかな旋律を、澄んだ音色で聴かせてもらえました。
そして、目玉のリスト。超絶技巧と謳われているだけあり、もうありえないほど両手が動く、飛ぶ。音数半端なくて、音から音の距離が長いのになんであんなに正確に(機械的でなく)鳴らせるんだろう…
クラシックは寝る、と言う人も、この曲は退屈する暇がないはず。夏に観たボリジョイサーカスよりすごい(笑)
リストの二つ名、「ピアノの魔術師」に至極合点がいきました。(しかも原曲はもっと難易度高いらしい…どんだけ)


ちょっと話がそれるかもですが、リスト、これだけ弾けて、でもって美形だったって言うから、そりゃ女性ファンが黙っちゃいなかったのもわかります。
観客席に手袋投げたらファンが激しく奪い合ったという伝説の持ち主w(いつの時代も女ってやつはww)
舞台に黒マント姿で登場してばさりとマントを脱いだり、演出過剰のちょっと恥ずかしい人だと認識してましたが、これを作曲して演奏してたらそりゃ神がかり的な人気を誇るはずだわ。


さて、この大練習曲の3番目の「ラ・カンパネッラ」が、私のこの日の聴きたい!1曲でした。(ミーハー)
ちょっとミスもあった気がしましたが(素人がすみません)、やっぱり名曲!うわ〜っと上り詰めていくクライマックスは鳥肌。
ラ・カンパネッラはイタリア語で「鐘」。ヴァイオリン版はともかく、ピアノだと鐘と言うより、水の滴や波紋を連想して、違和感がありましたが、この日の演奏を聴いて、ああ、天使の鐘なのね〜と勝手に納得(笑)
演奏後、まだ途中なのに拍手と歓声あがってました。


あとはもう知らない曲ばっかり…と思いきや、最後の6番が、三千里も好きな「カプリス24番」の編曲版!
ギリギリまで張り詰めた音が凛と響く原曲に比べ、こちらは絢爛豪華な華麗な演奏で、最後までおもしろく聴けました。(好みはパガニーニ版の方ですが。)
超大雑把にまとめると「うっとり→ゆったり→びっくり」な選曲で、すごく初心者には聴きやすいコンサートでした。
次、1月も行こうっと。