『夜は短し、歩けよ乙女』『犬身』

昨晩、お風呂上りに三千里に「そういえば宿題は?」と聞いたところ、彼はいたって平静に
「ああ。とっくに忘れてた」
『とっくに』って!あんまり堂々と言うから吹きました。


最近の小万里のお気に入りソングは、幼稚園で習ったらしいワニさんの家族のうた
「ワニのお父さん ワニのお父さん お口をあけて〜かぱっ おヒゲじょりじょり おヒゲじょりじょり 泳いでいるよ〜♪」
「ワニのお母さん ワニのお母さん お口をあけて〜かぱっ おけしょうパタパタ おけしょうパタパタ 泳いでいるよ〜♪」
シュールな歌詞に振りつきでノリノリで披露してくれるので楽しいのですが、この先の展開は予想外でした。
「ワニのお兄さん ワニのお兄さん お口をあけて〜かぱっ お尻ふりふり お尻ふりふり 泳いでいるよ〜♪」
「ワニのお姉さん ワニのお姉さん お口をあけて〜かぱっ 筋肉もりもり 筋肉もりもり 泳いでいるよ〜♪」
…お姉さん、カッコいいっスww


ゴールデンウィークは天候がぱっとせず、大して遠出もできませんでしたが、寮仲間が遊びに来てくれたし、小説運にも恵まれたので、個人的には退屈せずにすみました。
以下簡単に、よかった本を2冊紹介。
一、『夜は短し、歩けよ乙女」』
京都を舞台とした風変わりな学生達の荒唐無稽な日々を描くユーモア小説。
奇想天外なストーリーと言葉遊び満載の文章は、愉快痛快とにかくバカバカしい(いい意味で)。
3章は母校の学園祭が舞台となっていて、落研も一行だけ登場します。(でも「乙女山」なんてネタやった人はいないですよねw)
二、『犬身』 
性同一性障害ならぬ、「種同一性障害」の女性が主人公。不気味な男との取引を経て希望通り犬になり、憧れの犬好きの女性と暮らしてみると、その女性は実兄から性的虐待を受けていたなど、次第に泥沼の家庭事情が明らかになっていきます。
近親という枠さえ無視するほど「男」と「女」に囚われ性行為を強要する兄に対し、無償の本能的な触れ合いを求める犬。
「本能的な触れ合い」に、性愛はまったく無関係と言えるのか。
設定は奇抜ですが、重くて深いテーマが扱われています。
また、ただそこにいて、何も考えずに触れ合うだけで癒す犬に対し、会話やメールによる理知的な言葉の力で飼い主の女性を支える友人の存在にも、考えさせられるところがありました。
陰鬱で寂しい話ですが、不思議と優しさも感じさせる点も好印象。決して難解ではないけれど、読み応えあります。