第十話

裏技炸裂!すっとばして第10話  
*予告の第4話を楽しみにしてくださっていた方ごめんなさい


  仮面ライダーW-INDS. 第十話 「Three Pieces


前回までのあらすじ。さらわれた涼平と引き換えに集めてきた魔石を差し出せ…蛇needs[NEMS]の要求どおり、港の倉庫で魔石を渡した慶太&龍一。「約束だ、早く解放しろ!」「俺たちの弱点を見透かす力…そんな力を持つ奴を生かして返すわけないだろう!」卑劣な蛇needsの刃が今まさに涼平ののど元に迫る―――。


(こっから本編)
まさに刃が触れるかに見えた瞬間、涼平は押さえ込んでいた二人の腕を振りほどき、身を屈めてよける。
「さすがにもう無理か」
呟いた直後、変身。水柱がほとばしり、瞬時に凍り付いてきらきらと氷が飛び散る中から仮面ライダーB.Black登場。
高速の突きや蹴りで、呆然とする敵を容赦なくバキバキとなぎ倒していく。必殺技は旋風脚[ブレイキング]!
「そこまでだ!この魔石を壊されたくなければ攻撃をやめろ!」
THE☆悪役のこの言葉に、涼平は何を思ったか突然倉庫の端にあった樽を蹴り上げ、すかさずそれを龍一が銃撃。
樽はバン、と砕け、中に入っていた酒が飛び散ると、それを浴びた[NEMS]は唐突に活動を休止した。「今だ!」
三人のトリプル攻撃「1st message」炸裂。「くそっ…このままで終わると思うな…グフッ」魔石[AX]ゲット。


「…で。どうして黙ってたんだよ、ライダーだってこと!」
「覚醒したのは[ムーハマン](第4話登場)に会った時なんだけどね。僕なしでも何とか戦えてるし、巨大な敵相手だからこそ手札は多いほうがいいと思って」
「だからってどうして俺たちにまで…」
「敵を欺くにはまず味方からっていうでしょ」
(…やっぱりこいつって…)
VISIONに帰ってのんびり話していると、突然非常警報。
「侵入者です!…うわあああっ」
なんと本部に[修司と彰]登場。第8話登場の元組織所属の狂科学者が裏切り、蛇needsに情報を売ったのだった。
圧倒的強さを誇る二人の刺客に、ライダーたちは全く歯が立たない。VISIONスタッフも援護に回るが…
「出演情報当日更新ビーム!」「遅いわ!」
「ファンクラブ優先席なのに3階末席レーザー!」「ふざけているのか…?」
話にならんな、と髪をかき上げる修司。何かを取り出す彰。
「パパラッチ(裏切り者の科学者の名前)からの餞別だっちゃ」
「俺たちが手を下すまでもない」
ひゅん、と立ち去る二人。残されたのは、超強烈な破壊爆弾[フライデー]。爆風。粉塵。消音。


深夜。瓦礫の中、ぴくり、とかすかに手を動かすが起き上がれない、すすに汚れた虚ろな瞳の慶太。
(もう…終わりなのか?)
家族、友人、大切な場所、いとしい風景、懐かしい思い出が脳裏に去来。ぼやけた視界に、廃墟に転がる、ぼろぼろになった三体のマスコット人形(以前助けた一般人が作ってくれた。似てない)が映り、慶太はかっと目を見開き拳を握る。
「俺たちは…負けない!」「そうだ、負けてたまるか!」「何度でも這い上がってやる!」
三人はよろけながらも立ち上がり、強い瞳で頷きあう。
「組織はもう…だめだろうけど…」
「いや、ドクター葉山に聞いたことがある。この組織は、ここだけにあるものではない。全国に[ファン]という草の根の支援団体が存在し、頼ればいつでも力をかしてくれる、と」
「そんな人たちが…」
「それからもう一つ、もしもの時は、一度台湾に住む仙人[風勝達]のところへ行けって。彼なら道を開いてくれる、と…」
「よし…絶対強くなって戻ってきてやる!」
敵はあまりにも巨大で、この先の道も険しく困難を極めるだろう。しかし、挫けるな、W-INDS.、どんな時にも、常に君たちを応援する者がいるのだから!
決意を固めた三人を励ますように、今、暗闇に一条の光が差し込み、変わりゆく空は刹那に輝くのだった…。
                  <第一部・完>


涼平の戦闘スタイル、初めは魔術でも使わせちゃおうかとも思ったのですが、やっぱあのブレイキングは使いたい!
となると得意技は蹴りだから武道家系?…容赦なく敵を殴り蹴散らす色白美少年の図もいいかも。
…ということでこの形に落ち着きました。
今回一番書きたかったのは、実はVISIONの非力な援護攻撃。もうちっとなんとかしてくれ!という切実な思いがこもってます(苦笑)
百歩譲ってせめて情報関連だけは迅速に対応して欲しいです…海外サイトのほうが情報早いってのはあんまりでは(涙)


さてさて、上記にもあるように仮面ライダーW-INDS.はこの10話をもって第一部、完。でもってこの連載もこれにて終了とさせていただきます。
一通りやりたいネタは出して、満足したので。
今まで応援して下さった皆様、ありがとうございましたv