開通ーー!!

入院したのが、19時くらい。出産は早くても深夜か明け方になるだろうということで、旦那さんには一度帰宅してもらいました。
(取り乱したところをなるべくみせたくない意地っ張り。)
それから段々陣痛が来る感覚が短くなってきて、痛みも半端なく増していくのですが、私の子宮口は5時を回っても、なぜか入院時の2割くらいから依然として開きません。
子宮口が9割開いたら分娩台、と言われていたのですが、痛みが1分間隔になっても、点検に来た看護士さんは
「開きませんね〜」
こんなに痛いのに…とイライラしてトイレに入ったとき、突如、ぐわっ開通ーーー!!
初のお産でもわかりました。これはくる!生まれる!
慌てて呼び鈴を押して、見てもらうと、「ほぼ全開です!行きましょう!」
(子宮口の開きが7〜8割くらいのとき、力みたいのにまだだと止められて苦しかったりしますが、この時はその苦しみを味わわずに済んだ分、一気に開いてくれてよかったなと今では思います。)
そして分娩台。だんだんと意識は朦朧、わけわかんなくなってきてます。看護士さんの
「旦那様に電話しますね」という声に、はやくきて、と祈ります。しかし、しばらくして
「すみません、通じないんですけど。090-XXXX-XXXXですよね?」
「それ私の携帯の番号です…」
誰もいない病室で私の携帯が鳴ってるのを想像して、ちょっと苦笑。でもはやくよんで。
「旦那様の番号は?」
「XXXX-XXXX…」
やおいて、また看護士さん登場。
「ごめんなさい、通じないんですけど。XXXX-XXXXですよね?」
「最初に090を…つけてください…」
これは私が悪かったです。でもはやくよんで。

結局旦那さんが来たのは、息子を出産した後でした。くそう。


出産直後は、疲れ果て、やりとげたという思いはあるものの、感動を味わう余裕はありませんでした。
「はじめまして」と声をかけた生まれたてほやほやの息子は、真っ赤で、ふにゃふにゃで、
静かに目をつぶっていました。
産声が思ってたより小さくて、大丈夫なのかな、とすごく心配だったのを覚えています。
愛しさがこみ上げてきたのは、病室に戻って、一度寝て、起きて、息子を初めて抱いたとき。
あなたが私たちの子どもなんだね。これからどうぞよろしくね。
息子は時々、ぇええ…と羊のような、弱弱しい声で泣きます。儚かった。
守らなきゃ、という気持ちがじんわり広がってきました。


出産過程に個人差があるというのは当然ですが、同じ人でも一人目と二人目ではまた違ったお産になります。
一般的に言われるのが、二人目以降は楽、ということ。でも私の場合、二人目の娘の時の方が大変でした。
病院の方針で陣痛促進剤を使用したためか、陣痛の進行は順調で早いけれど、より痛みが強かったように感じました。
分娩台でも、息子の時は苦しいながらもまだラマーズ法を守ろうとする余裕があったのですが、娘の時はもうそれどころじゃない。とにかく出る。こらえて、といわれても
「駄目です!出ます!出ますーーー!!」
叫びながら、ちらりと思ったのは、
(これで出てきたのがでかいう○こだったらどうしよう…。)
それくらい下半身の抑制がきかなくなってて、パニック状態でした。
幸い、出てきたのは玉のような女の子。びっくりしたように丸いお目目をきょろきょろさせていました。
痛みが強かった分出したら爽快で、一気に身が軽くなって世界はきらきら。赤ちゃんなんて可愛いんだ!
自然とこぼれた言葉は「やっと会えたね!」
この時のお産は、分娩台に上がって10分でした。長くてしんどいか、より痛いけど短いか。どっちがいいんでしょう?

出産の過程も全然違った二人の子。現在、4歳&もうすぐ2歳ですが、すでに性格も好みも全然違って、おもしろいです。
そしてもちろん二人とも、それぞれにどっちもすっごく可愛い。
今だからこその、想定外な事件連発のエネルギーに満ちた日々を、このブログで綴っていけたらいいなと思ってます。