胎児ギャクタイ


産婦人科に妊娠検査に行ったのが、大学三回生の初夏。
当然まだ旦那さんとも籍を入れてなかった頃で、結果を聞くときは中々緊張感がありました。とはいえ既に家で試した市販の検査薬で陽性反応が出ていたので
「ご懐妊です」
と告げられもそれほど動転せず「ああ…やっぱり」と思ったわけですが、お医者さんが
もうすぐ5ヶ月
と続けたときは目を剥きました。5ヶ月!?普通は「2ヶ月です」とかじゃない?
なんで気づかなかったんだ私!?
なんだか化かされたような腑に落ちない気分で
「あの…つわりとかあるんでしょうか」
と聞いてみたら、
「もうとっくに安定期ですからね。つわりの時期は終わってます」
なんか得した感じだけどショック…。医師は呆れたように太鼓判を押してくれました。
「こんなのんきな人も珍しい」
…はい…わりと言われます…。

思い返してみると、確かにああ、あれはつわりだったのか、と納得できる出来事もありました。
講義中に恐ろしく気持ちが悪くなって、よろよろと外のベンチに倒れこみ、しばらく動けなかったっけ。あの時は「朝のあの牛乳がまずかったのか…いやもしかしたらしなびて現物0.6倍くらいに縮んだきゅうりが…いやなんか汁出てたもやしが…肉…」と食生活に心当たりがありすぎて、すっかり食あたりだと勘違いしたのです。
その約一週間後にまた学内の本屋で猛烈な眩暈と吐き気を感じてトイレに駆け込んで、、その時は、私ここで死ぬのかしら、でもトイレで最期を迎えるのだけは嫌だから、いざとなったらいつでも救急車を呼べるように、と119と押した状態で携帯をぐっと握り締めてました。(今思えばあの時救急車呼んでたらよかった。)
んで、しばらくじっとしていたらちょっと気を持ち直したから、その本屋からとても近かったサークルの部室に転がり込んで、「私なんか悪い病気なのかも。こないだも死にそうになったし。私が死んでも忘れないで」などと友人に訴えたのですが「どうせまたやばいもん食ったんだろ」と一蹴され、私も「そうかも」と納得してしまい、以降はピンピンしてたから、そんな辛い記憶もすっかり忘却の彼方に沈んでいたのでした…。

そうか!最近おなかが出てきた気がしてたのも妊娠してたからだったのか!と、こちらも真実を知ってから思い当たりました。
エストがやばい、と食事制限をして、鬼のようにDDRを踊りまくっていた一ヶ月前の私…。
知らなかったとはいえ、ものすご〜く、子どもに悪い事しておりました。
これもみんな月のものが不定期だからいけないのです!気が付かないジャン!(責任転嫁)
よく過酷な環境に耐えて安定期までもってくれたなぁ…と後日しみじみ、おなかの子に感謝したのでした。

思い出話、続く。